北洲ハウジング60周年記念

高性能住宅は夏に弱い…!?

2016年06月30日

風鈴

「冬は暖かくていいが、夏は暑い―。」高気密・高断熱の家についてよく聞かれる声です。今回は、「住まい学」の観点でこの声を検証してみたいと思います。

結論としては、「何も対策しなければそのとおり」です。熱が籠って暑くなりやすい面は否めません。ではどのような対策が必要なのでしょうか―。

その1 日射を入れない

窓から差し込む太陽の光。気持ちのいいものですが、暑さ対策の観点ではこれが一番の敵。日射熱で室内の気温はグングン上がります。

窓ガラスの性能も年々良くなってきてはいますが、何にも対策しないと9割近く、そのまま日射熱を受ける計算になります。北洲の家で多く見られる「深い庇」でも4~6割の日射熱をカットできますが、一番のポイントは“窓の外での日射カット”です。

日射を入れない

左図:窓の外、室内にそれぞれブラインドを設置。 右図:一番左の外付けブラインドが5~10℃も熱の侵入を抑えていることがわかる。
出典:「自立循環型住宅への設計ガイドライン」

昔ながらの「すだれ」「よしず」も効果的ですが、外付けの「ブラインド」や、「オーニング(図2)」も、北洲の家のデザインにマッチし、かつ効果的でオススメです。
また、実はガーデニングも、暑さ対策のためには重要なポイントです。樹木で日陰を作れば直接的な効果が得られますし、芝生などでグランドカバーをすることで地面からの反射熱がぐっと抑えられます。

オーニング

オーニングは、遮熱効果だけでなくデザイン性・機能性も高い。(図2)

その2 風を通して熱を逃がす

もちろん①の対策も万全ではありません。室内に入る日射熱をゼロにすることは難しいですし、人体や家電から発生する熱もあります。そのために、熱を逃がす通風も重要な対策となります。

実は、うまく風を通すにはコツがあります。
1つは、お住まいのエリアの風向きの特徴をつかみ、北の方角からの風を入れること。日中に、南からの暖かい風を取り込んでしまうのは逆効果です。

もう1つは、風の通り道をつくることです。出口になる窓をより大きく開けると風が逃げやすいです。また、「暖かい空気は上に向かう」性質を利用して、2階の窓から空気を逃がすように通り道を作ると、より効果的です。北洲ハウジングでも多く採用されている「吹き抜け」や「天窓」を採用している場合は、これを活用して通風ルートを作ってみてください。ちなみに、この通風ルートの補助役として、扇風機やサーキュレーターを活用するのも一考です。

風を通して熱を逃がす

北から南へ・下から上へ 風のルートを確保することがポイント。

その3 エアコンを活用

①②は「温度」を重視した対策ですが、日本の夏は湿度も高く、これが不快度を上げる原因です。熱中症患者に高齢者が多いのも発汗能力の低下により体温調整がしづらくなっていることが一因ですので、命を守るという意味でも軽視できません。その観点で、エアコンは温度だけでなく湿度も下げてくれる優れものです。

しかしながら、夏にエアコンをフル活用、となると電気料金が気になるところです。実際、あるアンケート結果では、「家庭の消費電力のうち、8割が冷暖房で占める」という意識なのですが、実際には暖房に30~40%、冷房に至っては1~2%に過ぎず、「エアコンは電気をムダに食う」という決め付けは正しくありません。むしろ、涼しい外気を取り込みづらい夏の日中は特に、エアコンで室内を冷やすのが効果的かつ合理的です。さらに北洲ハウジングのような高気密・高断熱住宅は、エアコンをうまく使って一度室内を冷やせば冷たい空気を逃さない「魔法瓶効果」が期待できます。

エアコンを活用

北洲の家での暑さ対策は「室外での日除け」「通風」「エアコン活用」がポイント。
うまく対策すれば高気密高断熱住宅は夏も涼しく過ごせます。

伊藤 裕章

伊藤 裕章
設計部 副部長 一級建築士
設計品質のマネジメントを担うとともに、自らもプランナーとして数多くの物件を手がける。北洲スタッフへの社内技術研修も実施。趣味は釣り。