北洲ハウジング60周年記念

“換気”は、住環境の生命線!

2017年07月07日

換気

住まいの環境をフレッシュに保つためには換気が欠かせません。
しかし、窓を閉め切って使うことの多い夏や冬に、窓を開けて換気するのは難しいですよね。その意味で、数ある“住宅設備”の中でも換気システムは特別。生命線とも言えます。

住まいの中には暖冷房や水まわり、照明にいたるまで、あらゆる設備がありますが、これらは、調子が悪くなるとすぐにわかります。しかし、換気システムとなると調子が悪くてもなかなか気づかず、お手入れもおろそかにしがちな方が多いようです。

人は空気の汚れに鈍感

人は、二酸化炭素や有害物質の濃度が高くなっても、ほとんど感知不可能です。猛毒性がある一酸化炭素にいたっては、人が感知できるレベルに達したときには既に手遅れです。 室内の空気を燃焼に使い、排ガスを室内に出す反射式ストーブなどの使用をお勧めしない理由がこれです。
2003年の法律改正により換気システムの設置が義務化されたのは、これに対処するためなのです。住まい手の意思にかかわりなく強制的に換気されるので、効果が期待できます

空気を汚す正体は?

住まいを漂うもののうち、健康に害を与える化学物質の代表格がホルムアルデヒドと言われる揮発性物質です。この水溶液が生物標本にもよく使われるホルマリンですが、これには殺菌や防腐効果もあり、芳香剤や化粧品などの身近なものにも使われています。書店で雑誌を開いたときのツンと鼻を突く臭い。あの正体も接着剤にふくまれるホルマリンです。この化学物質については、規制も強化され、新築時に使用される建築資材に問題はなくなってきました。

むしろ問題になるのは、住み始めてからなのです。新調した家具や日用雑貨から発せられる化学物質、そして人の呼気、料理の臭いなどで空気は汚れていきます。

換気とは

そこで重要になるのが換気です。
そもそも換気とは人や建物にとって害を及ぼす物質を外に捨てること、あるいは、新鮮な外気を取り込んで室内の有害な空気を薄めることを指します。
外気は新鮮であることが前提です。そのため、外気に含まれる砂やチリ、虫などを取り除いてくれる換気システムのフィルターは非常に重要といえます。換気システムのお手入れ方法の詳細は「グッド・エイジングのヒント(熱交換気システムの定期的なお手入れ方法)」に譲るとして、ここではひとつだけ紹介します。

フィルターのお手入れを怠ると新鮮な外気を各部屋まで送り届けるのに必要な消費電力が、なんと3倍にもなるという測定結果が報告されています。また、フィルターが汚れたまま運転を続けるとモーターに負担がかかり寿命も短くなります。くれぐれもお手入れをお忘れなく。

消費電力はフィルタの清掃前と清掃後では約3倍の差

フィルタのお手入れ状況が悪いと、効き具合はもちろん消費電力(電気代)も大きく変わってくる。

換気システムは常時運転!そして…窓を開けよう

換気の度合いは、「換気回数」で表されます。推奨される回数は1時間当たり0.5回。つまり、2時間に1回、部屋の空気が全部入れ換わるということです。 外の気候に左右されずに強制的・計画的に換気ができる点、また、冬場も冷たい空気をそのまま取り込むのではなく、室内の暖かい空気を利用して換気してくれる熱交換気システムは優秀です。常時運転をしましょう。

ちなみに、現在標準採用している換気システムを常時「標準」運転したときの1ヶ月の電気代は、およそ500円程度です(1台あたりの目安)。 換気システムで効率的に常時換気をしながら、季節の良い時期、天気の良い日は窓を開け放した自然換気で日本の変化に富む豊かな四季を楽しむ。このメリハリが賢い住まい方と言えるかもしれません。

切り離せない換気

最後に、今回取り上げた「換気」。これをきちんと行うためには「気密」が不可欠なのです。  この「気密」、住まい手にはなかなかご理解いただきにくい技術のようです。これついては次回掘り下げてみたいと思います。

伊藤 裕章

伊藤 裕章
設計部 副部長 一級建築士
設計品質のマネジメントを担うとともに、自らもプランナーとして数多くの物件を手がける。北洲スタッフへの社内技術研修も実施。趣味は釣り。