北洲ハウジング60周年記念

スクラッチスタイルの美しい大正浪漫風建築

2015年06月01日

山口屋酒店 スクラッチタイルの美しい大正浪漫風建築。地域の人々から頼りにされるサポートセンター的酒屋さん

店舗の天井に渡された太い梁は、酒蔵を解体した際に出たもの

店舗の天井に渡された太い梁は、酒蔵を解体した際に出たもの。200年の歴史を今に伝える貴重な資料。

酒を搾るのに使われた酒船

酒を搾るのに使われた酒船は、きれいに漆を塗りなおして内部にライトを入れ、プラスティック版をはめ込んでディスプレイテーブルに。

>西間木俊一さんと宏美さんご夫妻

西間木俊一さんと宏美さんご夫妻。食を通した家族や地域間のコミュニケーションや福祉のありかたを提案しています。

アンティークな風合いのドアに合わせてアイアンと木製のベンチ

店舗前には、アンティークな風合いのドアに合わせてアイアンと木製のベンチを設置。店舗と住居はバリアフリーで繋がっています。

帝国ホテル本館を思わせるスクラッチタイル

フランク・ロイド・ライトが手掛けた帝国ホテル本館を思わせるスクラッチタイル。

造り酒屋だった時代の筆頭銘柄「山桜」のとっくり

造り酒屋だった時代の筆頭銘柄「山桜」のとっくり、以前の店舗の写真などが飾られており、当時を振り返る貴重な資料になっています。

200年前に建てられた座敷蔵

200年前に建てられた座敷蔵は今も残し、収納に利用。

安達太良山を仰ぎ、霞ヶ城を拝する城下町・二本松市。その北側に位置する竹田・根崎地区は、伝統ある造り酒屋と家具工芸店とが軒を連ねる商業の要。道路の拡張に伴う新たな街づくりでは、地元の方々が中心となり、日本建築の伝統美を体現する城下町らしい風景を実現しています。

蔵や町屋をイメージして建てられた店や住宅が連なる若宮野辺線。その交差点に、ひときわ目をひく『山口屋酒店』が立っています。旧帝国ホテル本館を思わせる、サンドベージュのスクラッチタイル壁。正面に真一文字のラインを有する三州陶器瓦の屋根。西欧風でありながら周囲と美しく調和する、大正レトロモダンな風合いの偉容です。

お客さんは、朝からひっきりなし。しかも小学生からお年寄りまで、年齢も多彩。その目的は買い物だけでなく、ご主人である西間木俊一さんや奥さま・宏美さんとの会話にあるようです。

おもてなしのアドヴァイスや、地域イベントでの食事の手配、時には、家族の介護やお子さんの教育などの相談まで。おおらかで明るいおふたりの包容力が地域のサポートセンターのような役割を担い、今では配食サービスや介護施設などいくつかの福祉事業を営むまでに。地域の方々にとって、まさに欠くことのできない存在になっています。

「もともとは約200年前に始まった造り酒屋。それこそ昔は店の横に井戸があり、文字通り“井戸端会議”の場所でした。その親しみやすさが、今も続いているのかもしれませんね」(俊一さん)。

幾度かの建て替えを経て続いてきた店の歴史。その大切な思い出の品々は、新しい店舗にも活かされています。酒蔵の太い梁を天井に渡し、酒を搾るのに使われた酒船は漆を塗り直してライトを入れ、ディスプレイテーブルに。自らの歴史を物語りながら、地酒のまち・二本松のアンテナショップ的な存在にふさわしいデザインが展開されています。

単にお酒を売るだけでなく、お酒から連なる食文化や健康、そしておいしさへの喜びを追求し、提案する西間木さん夫妻。そのあたたかい心に惹かれて、今日も多くの人が『山口屋酒店』を訪れるのです。

山口屋酒店

山口屋酒店
福島県二本松市根崎1-50 0243-22-0130
9:00~19:00 定休日 日曜、休日
http://www.office-web.jp/yamaguchiyasaketen/