長期優良住宅とは?長期優良住宅の認定基準とメリット・デメリットについて解説

最終更新日:2020年04月17日

新築住宅の購入を検討している方は、「長期優良住宅」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。長期優良住宅とは、簡潔に説明すると「将来に渡り長く住み続けられると国から認められた住宅」のことです。

国が定めた基準をクリアすると、長期優良住宅の認定を受けることができ、税制面などの優遇措置を受けられるメリットがありますが、一方で通常であれば必要のない手順を踏む必要も出てきます。この記事では長期優良住宅の全体像を掴んでいただけるよう、認定基準やメリット・デメリットについて解説していきます。

※本記事は2019年11月時点の情報を元に執筆しました。

北洲ハウジング編集部

人と自然にやさしく、何世代にもわたって受け継がれ、大切にされる家。劣化するのではなく、豊かに年を重ねた証が刻まれることで、その価値も、住まう人の愛着も増してゆく住まい。この記事は、世界共通の良い住まいづくりを目指す、北洲ハウジングが提供しています。

北洲ハウジングについて詳しくはこちら

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。

長期優良住宅の認定を受けるためには、以下のような基準を満たす必要があります。

  • 長期に使用するための構造及び設備を所有していること
  • 居住環境等への配慮を行っていること
  • 一定面積以上の住戸面積を有していること
  • 維持保全の期間、方法を定めていること

引用:長期優良住宅 | 東京都住宅政策本部

各認定基準の考え方については、この記事の後半パートで詳しく説明します。

長期優良住宅の目的

長期優良住宅の認定制度が始まった背景について、国土交通省のホームページには以下のような説明が記載されています。

従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月5日に成立し、平成21年6月4日に施行されました。

このように長期優良住宅の認定制度は「多くの優良な住宅をつくり、手入れしながら長く大切に使うこと」を目的としてスタートした制度なのです。認定基準を満たし長期優良住宅に認定されると、金銭的なメリット(税の優遇措置、補助金の支給等)を享受できます。また認定された計画に従ってメンテナンスをしていくことで、建物が将来にわたってきちんと維持保全されます。

長期優良住宅(新築戸建)の主な認定基準

長期優良住宅認定制度は、建築の工法や新築・既存、一戸建て・共同住宅(マンション)等にかかわらず利用できますが、ここからは「木造新築一戸建て」に焦点を絞ってご説明します。それ以外についても知りたい方は、以下のページをご確認ください。

» 長期優良住宅のページ – 国土交通省

長期優良住宅

長期優良住宅にはどのような性能が必要かを定義したものが「長期優良住宅の認定基準」です。主な認定基準の項目は以下の通りです。

劣化対策

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること

耐震性

極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること

維持管理・更新の容易性

構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること

省エネルギー性

必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること

居住環境

良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること

住戸面積

良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること

維持保全計画

建築時から将来を見据えて、定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること

引用:長期優良住宅(新築)認定基準の概要

なお、国土交通省のホームページには各認定基準の内容について詳細な説明が記載されています。

例えば、住戸面積の認定基準項目であれば「床面積の合計が75 ㎡以上で、少なくとも一の階の床面積が階段部分を除いて40㎡以上あること(※ただし、所管行政庁が地域の実情を勘案して別に基準を定めることが可能)」と記載されています。気になる方は以下からご確認ください。

» 長期優良住宅(新築)認定基準の概要 – 国土交通省

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅のイメージ

長期優良住宅に認定されると、補助金などの金銭的なメリットを享受できます。一つ一つ確認していきましょう。

メリット1. 住宅ローンの優遇措置を受けられる

【フラット35】Sで、住宅ローンの金利引き下げを受けられる

【フラット35】は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、最長35年の全期間固定金利住宅ローンです。

長期優良住宅を取得する際は、借入金利が一定期間引き下げられる【フラット35】SのAプランが適用され、借入金利が最初の10年間0.25%(2020年3月31日申し込み分まで)引き下げられます。

長期固定金利住宅ローン【フラット35】

 

※編集部にて対象箇所を黄色くハイライトしています。

例えば<借入額4000万円・返済期間35年・ボーナス返済なし(※)>で返済する場合、一般住宅に適用される【フラット35】の月返済額は11.7万円。一方、【フラット35】Sの月返済額は、当初10年間は11.2万円、以降25年間は11.5万円で、完済時には95万円もの違いになります。
※融資率9割以下、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なし、2019年11月の最多金利で試算

【フラット35】ローンシミュレーション

 

以下のページではご自身で住宅ローンのシミュレーションをすることができますので、興味のある方は試してみましょう。

» 【フラット35】ローンシミュレーション

【フラット50】で、住宅売却の際にローンを引き継げる

【フラット50】

長期優良住宅は【フラット50】も利用することができます。

【フラット50】はローンの最長返済期間が50年(【フラット35】の場合、最長で35年)で、住宅ローン付きで売却することが可能なプランです。ローンの返済中でも、債務をその物件を購入する方に引き継ぐことができます。

メリット2. 税の特例措置を受けられる

長期優良住宅に認定されると、住宅ローン減税制度の控除対象限度額が一般住宅の4,000万円よりも高い、5,000万円に引き上げられます。
住宅ローン減税制度は、年末の住宅ローン残高もしくは住宅の取得対価のうち少ない金額の方の1%が10年間、所得税・住民税から控除されるため、10年間で最大500万円の控除が受けられることになります。

また、投資型減税を選択することもできます(ただし住宅ローン減税制度との併用不可)。投資型減税制度は長期優良住宅のみに適用される所得税の優遇措置で、標準的な性能強化費用相当額(上限:650万円)の10%をその年の所得税額から控除する制度です。ローンを組まずに自己資金で長期優良住宅を建てる場合は、この投資型減税制度の利用を検討しましょう。

▼もっと詳しく知りたい方はこちら
» 新築の認定に係る税の特例措置
※国土交通省のサイトに遷移します

メリット3. 地震保険料の割引きが受けられる

長期優良住宅の認定を受け、長期優良住宅に係る書類(技術的審査適合証、認定通知書)を提出すると、建物の免震・耐震性能に応じて地震保険の割引を受けることができます。地震保険に加入する際は、これらの割引について忘れずに確認するようにしましょう。

長期優良住宅制度のあり方に関する検討会中間とりまとめ 参考資料

メリット4. 補助金を受けられる(中小工務店等で建てた場合)

地域型住宅グリーン化事業の採択を受けたグループに属する中小工務店で木造住宅を建てた場合、補助金を受け取ることができます。長期優良住宅はこの制度の「長寿命型」に該当し、補助対象経費の一割以内の額で、住戸一戸あたり最大110万円が支給されます。

なお、中小工務店ならどこでも対象というわけではなく、「事業の採択を受けたグループに属する中小工務店」で建てた長期優良住宅が対象なのでご注意ください。

採択を受けたグループは以下のページでご覧いただけます。
» 地域型住宅グリーン化事業 令和元年度採択グループ一覧
※外部サイトに遷移します

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅にはメリットがある一方で、デメリットもあります。

申請に時間・手数料がかかる

長期優良住宅認定制度の概要について

まず、一般住宅よりも着工までに時間がかかります。長期優良住宅に認定されるためには、所管行政庁の審査を経て認定を得る必要があるからです。さらに所管行政庁が適合証の提出を求める場合は、住宅性能評価機関による技術審査も必要になります。

ケースバイケースのため一概には言えませんが、この一連の審査にだいたい数週間かかると言われています。審査に必要な書類を作成する時間を考慮すると、さらに時間がかかります。

また時間だけでなくお金もかかります。上記の審査には、それぞれ申請手数料を支払う必要があります。手数料額は所管行政庁やケースによって異なりますが、所管行政庁と住宅性能評価機関の両方を合わせて10万円におさまるくらいが目安です。「意外とお金がかかってしまった」と残念な思いをしないために、申請前に必ず所管行政庁に確認しましょう。

▼所管行政庁はこちらからお調べいただけます
» 長期優良住宅建築等計画の認定を行う所管行政庁の検索
※一般社団法人 住宅性能評価・表示協会のホームページに遷移します

また申請書類の作成等の手続きをハウスメーカーや代行業者に依頼する場合、さらに10万円以上の代行手数料がかかる場合もあります。大きな金額ですので、申請前に必ず確認しておきましょう。

認定後もさまざまな手間が発生する

長期優良住宅の認定を受けた住宅は、入居後も認定された維持保全計画に従ってメンテナンスを行わなければなりません。メンテナンスを怠ると認定が取り消され、税や補助金などの優遇を受けていた場合にその分の金額の返還を求められることもあるので注意が必要です。

ただし長期優良住宅にかかわらず、住宅を長く快適に住める状態に保つためには、メンテナンスは不可欠です。メンテナンスを怠ることを(半ば強制的に)避けるという意味では、むしろ良いことだと解釈することもできるかもしれません。

少し手間だと感じる人が多いのが、メンテナンスの履歴を記録しておく必要がある点です。所管行政庁からメンテナンス状況の調査が入った際に、「報告をしない」「虚偽の報告をする」等の対応をすると、30万円以下の罰金に処せられることがあります。いざという時に慌てないために、面倒でもきちんと履歴を残しておかなければいけません。

もう一点発生する手間として、増築やリフォームを行う際は、あらかじめ所管行政庁より計画変更の認定が必要な点が挙げられます。増築・リフォームの計画内容についても、長期優良住宅の基準に合わせる必要があります。そして売買や相続をする時も、所管行政庁の承認が必要です。承認されると新しい所有者に維持保全計画の内容が引き継がれますので、新しい所有者がその計画に基づいてメンテナンスを行なっていくことになります。

長期優良住宅制度を活用して長く快適に暮らせる住まいを

長期優良住宅制度は金銭的なメリットはもちろん、長く安心して住める住宅を新築することで、その家に住む方が快適で安心な暮らしを送ることができるだけでなく、資源を大切にするストック活用型社会を実現する一助にもなります。

グッド・エイジング

わたしたち北洲ハウジングは、長期優良住宅に標準対応しています。長期優良住宅制度の背景にある「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」という考え方には、北洲ハウジングが考える「グッド・エイジング(歳月に負けない家を建てること。そしてそれを、きちんと手入れしながら住み続けること。よい住まいは、年を経るごとに美しくなる。)」という考え方に通じるものがあります。

長期優良住宅についてご興味をお持ちの方は、お気軽に弊社にお問い合わせください。

» お問い合わせはこちらから

» カタログのご請求はこちらから

» 展示場のご予約はこちらから
※ご希望の展示場をお選びのうえ、ご予約ください