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木造住宅のメリット・デメリットを解説【鉄骨造、RC造と比較】

住宅の柱・壁などの構造体に「木」を用いる住宅を木造住宅といいます。日本では木造住宅が古くから採用されており、現在でも一戸建て住宅の9割以上を木造住宅が占めています(※平成30年現在。リンク先6ページ目参照)。

この記事では、私たちにとって馴染みの深い木造住宅への理解を深めていただくために、木造住宅の特徴やメリット・デメリット、また木造以外の主要な住宅の工法(鉄骨造、RC造)についても解説します。

戸建住宅の主な建築構造と特徴

戸建住宅に採用される建築構造は、大きく木造鉄骨造RC(鉄筋コンクリート)造の3種類に分類されます。そして木造住宅はさらに木造軸組工法と木造枠組壁工法の2種類の工法に大きく分けられます。

ではそれぞれの特徴とメリット・デメリットについて確認していきましょう。

木構造・木造住宅について

木造住宅

構造体に木材を用いる建築構造を木構造(もくこうぞう)といい、木構造で建てられた住宅を木造住宅といいます。

木造住宅が日本で主流となった理由の一つとして、木材の高い吸湿性や通気性が高温多湿な日本の気候に適していることが挙げられます。また寺社仏閣の建設が盛んになった時代に木造建築の技術が進歩したことも、日本で木造建築が普及した理由だと言われています。

木構造にはさまざまな種類がありますが、住宅では木造軸組工法(在来工法)木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の2つが主に採用されています。まずは、これら木造住宅に共通するメリット・デメリットについてご紹介します。

木造住宅に共通するメリット

木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)でつくられた北洲ハウジングの住まい
木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)でつくられた北洲ハウジングの住まい

施工費用が安価になりやすい

鉄骨造やRC造でつくられた家よりも施工費用が安価になりやすいと言われています。

調湿性・通気性が良い

木は調湿(水分を吸放出すること)性に優れているため、高温多湿な日本の住宅に適しています。

断熱性に優れている

断熱性能を示す指標「熱伝導率」は数値が小さいほど熱が伝わりづらいことを意味しますが、以下のように木造住宅(軸組工法)によく用いられるスギ・ヒノキ・ブナの断熱性がコンクリートや鉄と比較して高く、断熱性に優れた素材であることがお分かりいただけるかと思います。

熱伝導率の比較

耐火性に優れている

木は燃えやすいというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、実は木は一定以上の厚みになると燃えにくい性質を持っています。住宅に使用するような厚みのある木材は、火が燃え移っても表面の炭化にとどまります。

木造住宅に共通するデメリット

シロアリ被害を防ぐには対策が必要

木造住宅は木材を好んで食べるシロアリの害虫被害を受けることがあります。床下にコンクリートを敷き詰めるベタ基礎の普及により被害は減ってきているものの、防蟻処理のされた木材の利用や、定期的な点検を行なうと安心です。

次に木造軸組工法と木造枠組壁工法のメリット・デメリットについて、それぞれご説明していきます。

木造軸組工法(在来工法)とは?

木造軸組工法(在来工法)

木造軸組工法は、建物を支える骨格となる柱と梁、軸組を組んで構成し、そこに壁や床を取り付けていく工法です。「在来工法」と呼ばれることもあります。昔から日本の住宅に採用されてきた歴史のある工法で、現在も新築住宅に採用される工法として高いシェアを占めます。

木造軸組工法のメリット・特徴

間取りの自由度が高い

柱や梁などの軸組で支える木造軸組工法の建物は、部屋の広さや形を比較的自由に調節することができます。

開口部を大きく取れる

壁ではなく軸組で支える工法であるため、大きな窓などが設けやすいというメリットがあります。

施工業者の数が多い

日本で古くから取り入れられている工法のため、施工できる業者の数が多くたくさんの候補の中から選ぶことができます。

木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)とは?

木造枠組壁工法

木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は、フレーム状に組まれた木造の枠組材に構造用合板などの面材を打ち付け、壁と床、屋根を一体化させるように組み立てる工法です。1974年に日本の住宅工法として導入されて以来、右肩上がりで着工数を増やし続けています。

ツーバイフォー住宅と新設着工推移

木造枠組壁工法発祥の地であるアメリカでは、すでに200年以上の以上の長い歴史を持つ工法です。

木造枠組壁工法のメリット・特徴

耐震性に優れている
モノコック構造

木造枠組壁工法は建物を面で支えます。外圧を一点集中で受け止めるのではなく、面で分散して受け止めて地盤に流すため、耐震性に優れています。

耐火性がより強化される
ツーバイシックスの住宅は火に強い

また、木材はもともと火に強い素材ですが、木造枠組壁工法の住宅は火災に備えた以下6つのメカニズムにより、さらに耐火性が強化されます。

  • 全ての部屋の天井と壁全面に石膏ボードが張られます。
  • 断熱材のグラスウールが耐火性を向上させます。
  • 木の表面部は炭化して火の進行を遅らせます。
  • ツーバイ工法の構造木材は30分間の火災に耐える防火材料です。
  • 構造部の枠組が酸素の供給をストップします。
  • ファイヤーストップ材による防火区画により火の進行を遅らせます。
断熱性がより強化される
断熱材

木造枠組壁工法は断熱・気密施工のしやすい工法です。外壁の枠組材の間に断熱材を充填するため、構造体そのものの断熱がしやすく、断熱性の高い住宅に仕上がります。また床、壁を組み立てる方式のため、気密性を確保しやすくなります。

材木や設計、施工がマニュアル化されている

構造用製材や金物などの部材、設計や施工まで、住宅金融支援機構が監修する枠組壁工法住宅工事仕様書で厳しくマニュアル化されています。そのため施工業者による品質の差が出にくく、施工精度の高い住宅に仕上がることが特徴です。

鉄骨造(S造)とは?

鉄骨造(S造)

鉄骨造(S造)とは、構造材料に鉄骨を使用して建物をつくる工法のことです。使用される鉄骨の厚みにより軽量鉄骨と重量鉄骨に分類され、住宅には軽量鉄骨が採用されることが多いです。

鉄骨造(S造)の住宅のメリット

工場で生産されている(軽量鉄骨造の場合)

軽量鉄骨住宅の部材は工場で生産されているため、現場での部材切り出し作業等の必要がなく、工事を比較的スムーズに進めることができます。また工場で機械的に生産されているため、部材のサイズなどにズレが出にくく、品質が安定しやすい点もメリットとして挙げられます。

耐久性に優れている

鉄骨は腐食などの傷みが発生しにくく、丈夫で劣化しにくいというメリットを持ちます。構造部への害虫被害の心配もありません。防錆加工を施すことで、さらに耐久性がアップします。

耐震性に優れている

鉄骨造の住宅は頑丈な鉄骨でつくられていて、ブレースを配置しているため、高い耐震性を備えています。

鉄骨造(S造)の住宅のデメリット

防音性があまり高くない

鉄骨造の住宅は音が響きやすく、周囲の音が住宅内に入ってきやすいことがあります。壁などに防音材を施す等の対策を取ることができます。

耐火性が低い

「鉄骨住宅は火に強い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は耐火性は決して高くありません。鉄骨は熱伝導率が高いため、火事の際には構造材料が曲がったり変形したりする恐れがあります。

鉄筋コンクリート(RC)造とは?

鉄筋コンクリート(RC)造

鉄筋コンクリート(RC)造とは、柱や梁などの主要構造部を鉄筋で補強したコンクリートを用いる構造です。Reinforced Concreteを略してRC造と呼ぶこともあります。中高層住宅で多く採用されている建築工法です。

鉄筋コンクリート(RC)造の住宅のメリット

耐久性・耐震性に優れている

鉄筋コンクリート(RC)造は、圧縮力に強いコンクリートを引張力に強い鉄筋で補い強度を上げています。また材料の鉄筋コンクリート自体に重量があるため、耐久性や耐震性に優れているという特徴を持ちます。

耐火性に優れている

鉄筋コンクリート(RC)造の住宅は、建築基準法で「耐火建物」とされていることからもわかるように、火に強いというメリットがあります。コンクリートは熱に強く、1000℃の火力にも耐えられます。

鉄筋コンクリート(RC)造の住宅のデメリット

建築コストが高い

鉄筋コンクリート造の住宅は重いため、基礎がより重要になります。また専門業者による施工が必要な工程があり、多くの手間がかかります。そのため、建築コストは他の工法と比較して高くなることが一般的です。

日本の戸建住宅は木造住宅が圧倒的に多い

日本の戸建住宅は木造が9割以上と、圧倒的なシェアを占めています。もちろん木造と比較して鉄骨造や鉄筋コンクリートの住宅が劣っているということではありません。建築コストや性能、施工業者など、たくさんの要素(メリット・デメリット)を比較し、最適なものを選びましょう。

北洲ハウジングではツーバイフォーよりさらに断熱性能・強度があるツーバイシックスを外壁部分に採用しています(※HALUKA、USUKOを除く)。北洲ハウジングは寒い地域における木造枠組壁工法の住宅を手がけるパイオニアとして、冬の時期に発生しやすい壁内結露を防ぐ方法など、北国ならではのノウハウが豊富にあります。興味のある方はぜひご相談ください。

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