第二回 フィンランドの食卓

最終更新日:2020年05月11日

北欧フィンランド、ヘルシンキで暮らしている大村裕子です。
第二回目はフィンランドの食卓に登場する、食べ物や食器などについてご紹介します。

大村裕子

大村おおむら 裕子ゆうこ

Auer& Sandås architects
PROFILE ▼

2013年よりフィンランド、ヘルシンキ在住。一級建築士。1996年北海道大学工学部建築工学科卒業(建築環境学講座)。北欧輸入住宅会社にて16年設計に携わる。主に北海道、千葉、東京にて202邸の注文住宅、別荘、店舗等を設計。

その後スウェーデン、フィンランドの設計事務所にて住宅を設計。フィンランドの北欧建築視察専門の旅行会社を経て、現在はフィンランドの設計事務所 Auer& Sandås architects に在籍。

サーモンスープ  Lohikeitto

 

フィンランドではサーモンをよく食べます。こちらはサーモンスープで、伝統的なフィンランド料理の一つです。サーモン、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎなどが入ったクリームスープです。仕上げにはディルを散らします。ライ麦パンと一緒にいただきます。

 

フィンランドでは、ライ麦パンが人気です。写真のように色は茶色、固めで少し酸味があります。ふわふわの白いパンはほとんど見かけません。

 

 

ムイック Muikku

 

これはムイックというサケ科の小魚です。ワカサギのような魚でサケとは全然違う味ですが、とても美味しいです。私はレストランや屋台でも好きでよく食べるのですが、昨年の夏湖の近くでいただいたムイックは特に最高でした。

 

 

カルヤランピーラッカ  Karjalanpiirakka

 

こちらはフィンランド語でカルヤランピーラッカ、英語でカレリアパイといいます。ライ麦パン生地の中に、おかゆが入っている不思議な食べ物です。私が初めてフィンランドに到着した日、当時ホームステイ先でいただいた初めてのフィンランド料理でした。写真のようにゆで卵をのせるとさらにおいしいです。大きさは手のひらより、少し小さいくらいです。

 

カフェやスーパーなどで必ず売っています。小腹がすいたときに買えるお米なので、私にとっておにぎりのような存在です。お米ではなく、ジャガイモやニンジンを使ったタイプもあります。

 

一度自分で作ってみたいと挑戦したことがあるのですが、何時間もかかってびっくりしました。小さな一口サイズのものは、カクテルピーラッカと呼ばれて冷凍食品で売っています。オーブンに入れ、ゆで卵とニシンやエビをのせれば、パーティーのおつまみにピッタリです。

 

 

森で楽しむ  キノコ狩りとベリー摘み

 

フィンランドでは森の恵みを存分に楽しむことができます。夏はブルーベリーやリンゴンベリー、秋になるとたくさんのキノコを採ることができます。私も森に散歩に行ったついでに見つけたベリーをつまんだり、時にはかごやバケツを持って真剣にベリー狩りに行ったりします。

 

ただキノコの場合は、キノコに詳しい人と一緒に行きます。毒キノコもありますからね。わりとキノコをよく知っているフィンランド人の友達も、自分の知っているキノコしか採らないと言っています。キノコは乾燥させて保存し、ベリー類は冷凍して冬にも楽しみます。

 

 

実はフィンランド人の大好物   コーヒーとアイスクリーム

フィンランド人はコーヒーとアイスクリームが大好きです。2017年のデータでは、一人あたり一年で9.6キロのコーヒーを飲み、世界一でした。またフィンランド人はアイスクリームを一人あたり1年で13リットル以上食べています。ヨーロッパで一番多いと言われています。

 

冬が終わると、公園などで仮設のアイスクリームスタンドがオープンします。まだ外の気温は10度にもなっていないのに、すでにアイスクリームスタンドに列ができています。

 

 

食卓を彩るフィンランドデザイン

フィンランドの建築家、クラウディア・アウエル(Auer& Sandås architects 代表) にフィンランドデザインについて、話を聞きました。

 

― 日本でも最近イッタラ、マリメッコ、アラビアなどのフィンランドデザインが知られるようになってきました。フィンランドのデザインについてどう思いますか?

 

イッタラ カイ・フランクがデザインしたティーマプレート、花を飾ったアアルトベース

 

アウエル フィンランドのデザインは、ガラス、陶磁器、テキスタイルなどの高度な職人の技術から生まれました。アラビアの陶磁器の工場の建物の中では、大学レベルの教育が行われていました。勉強しながら実際の工場で使われている技術を学ぶことができたのです。

 

フィンランドのテーブルウェアは、シンプルなラインが特徴で、自然からインスピレーションを得ています。アアルトベースという花瓶は、フィンランドで一番有名な建築家アルヴァ・アアルトがデザインしました。フィンランドの自然を遊び心を持って取り入れた象徴的な例ですね。他にも自然をモチーフにしている例がたくさんあります。

 

私が子供のころ、母がイッタラのカステヘルミを持っていて家にありました。これはフィンランド語で朝つゆのことです。高価すぎす実用的で、みんなが使うためのデザインなのです。

 

イッタラ カステヘルミシリーズ 1964年にオイバ・トイッカがデザイン。

 

― 一部の富裕層だけが所有するデザインではないのですね。

 

アウエル そうです。アラビアのムーミンのマグカップもそうですね。使うためのデザインなのです。フィンランドで多くの人がムーミンマグで毎朝コーヒーを飲んでいます。中には高価なコレクターの作品もありますけど。

 

ムーミンのお話は自然に結びついて、アーキペラーゴ(群島)が舞台です。ムーミンの作家で画家のトーベヤンソンは、アーキペラーゴにサマーハウスを持っていました。そしてガラス、陶磁器、テキスタイルは、食卓と深くつながっていて生活に彩りを与えます。

 

― ところであなたにとって、お母さんの味といえば何ですか?

 

アウエル 母が作るライ麦パンはとても美味しいです。イーストではなくサワードウを使って作るのです。

 

 

参考

https://toolbox.finland.fi/life-society/finfo-facts-about-finland/

https://toolbox.finland.fi/life-society/finfo-a-taste-of-finland/

https://toolbox.finland.fi/life-society/finland-for-food-lovers/

https://www.iittala.com/fi/fi/home