第八回 ヨウル、クリスマスがやってくる

最終更新日:2020年12月21日

北欧フィンランド、ヘルシンキで暮らしている大村裕子です。

第八回目はフィンランドではどのようにクリスマスを迎えるのかお伝えします。

大村裕子

大村おおむら 裕子ゆうこ

Auer& Sandås architects
PROFILE ▼

2013年よりフィンランド、ヘルシンキ在住。一級建築士。1996年北海道大学工学部建築工学科卒業(建築環境学講座)。北欧輸入住宅会社にて16年設計に携わる。主に北海道、千葉、東京にて202邸の注文住宅、別荘、店舗等を設計。

その後スウェーデン、フィンランドの設計事務所にて住宅を設計。フィンランドの北欧建築視察専門の旅行会社を経て、現在はフィンランドの設計事務所 Auer& Sandås architects に在籍。

フィンランドのクリスマスは、日本のお正月?

フィンランドのクリスマスは、1週間ほど休みになります。多くの人が家族で過ごします。離れて住む子供達は帰省して、家族で過ごします。日本でいうとお正月のような休暇です。反対にお正月の1月1日は休みですが、多くの人は2日からは普通に仕事が始まります。

プレゼントは子供達だけでなくて、大人同士もプレゼントを贈りあいます。例えば子供のいる夫婦は、子供達へはもちろん、帰省してクリスマスを一緒に過ごす自分の両親や兄弟夫婦へのプレゼントも用意します。それぞれ誰が何が欲しそうか考えて・・・それはとても大変そうです!クリスマス前になると、週末はデパートなどで買い物袋をたくさん持った人達があふれています。

 

ヨウルカレンテリ joulukalenteri

11月になるとスーパーなどでヨウルカレンテリ(joulukalenteri)が売られるようになります。フィンランド語で、ヨウルはクリスマス、カレンテリとはカレンダーの意味です。日本ではアドベントカレンダーという名前でご存じの方もいるかもしれません。1日から24日までの窓があって、一日1つずつ開いていきます。メッセージが書いてあるもの、絵が描いてあるもの、チョコレートが入っているものなどがあります。子供たちはワクワクするに違いありません。私は今年は2つ用意しました。1つはチョコレート入り、もう1つは同じマンションに住む小さな女の子から買ったものです。このカレンダーの売り上げは子供たちがハイキングやキャンプなど自然と親しむスカウト活動資金になるそうです。ちょっとほっこりした気分になりました。クリスマスまで毎日2つのカレンダーを開けるのは、とても楽しみです。

 

 

 

グロギ glögi とヨウルトルットゥ joulutorttu

クリスマスが近づくとカフェなどによく登場するのがグロギ(glögi)ヨウルトルットゥ(joulutorttu)です。
グロギはクリスマスの時期だけのドリンクで、スパイスが入ったホットワインです。アルコールのないグロギもあって、子供も楽しめます。トッピングにはアーモンドとレーズンがあります。たいていジンジャークッキーがついてきます。私は普段カフェではたいていコーヒーやカプチーノを頼むのですが、この季節はグロギを飲みたくなります。

 

 

 

こちらはヨウルトルットゥです。フィンランド語でヨウルはクリスマス、トルットゥはパイの意味です。星形のパイで真ん中にプルーンが入っています。昨年のクリスマスに初めて手作りしました。パイシートを使ったので手軽にできておいしかったです。

 

 

 

クリスマスマーケット

毎年恒例なのが、ヘルシンキ大聖堂の前の広場でのクリスマスマーケット。ここには仮設のメリーゴーランドが登場して、子供も大人も列を作っています。
イルミネーションは冬ならではの楽しみです。夏だったら、22時でも明るいので、この美しさは楽しめないですからね。
小さな小屋がたくさんでて、クリスマスの食べ物や飾りつけなどが売られています。もちろん、グロギも楽しめます。
残念ながら今年は中止ですが、大きなクリスマスツリーだけは飾られています。

 

 

 

窓から見えるイルミネーション

この時期楽しみなのが、窓から見えるクリスマスイルミネーション。星の形が定番です。カフェやレストランやショップはもちろん、住宅でもよく見かけます。実はフィンランドでは、夜でもリビングルームはそれほどカーテンをしていません。星のイルミネーションとともに暖かな光がもれるのと、素敵なインテリアをちらっと見るのもこの時期ならではの楽しみです。

 

 

 

インタビュー クリスマスの迎え方、過ごし方

フィンランドの建築家、クラウディア・アウエル(Auer& Sandås architects 代表) に話を聞きました。
男の子1人、女の子2人を持つお母さんです。

 

 

― クリスマスが近づいてきましたね。どんな準備をしていますか?

 

アウエル クリスマスのイルミネーションの飾りつけをしています。これからクリスマスツリーを準備します。みんなでクリスマスツリーを買いに行って、一緒に飾りつけをします。
昨年も子供達3人が飾りつけをしてくれました。ツリーは背が高くて、形の美しい木を選びます。クリスマスの飾りは2箱分あります。とても古いもの、子供たちが小さいときに作ったもの、プレゼントとしていただいたものなどがあります。私たちは毎年同じ飾りを使います。我が家の伝統のようなものですね・・・それぞれの飾りに思い出があって、飾りつけをするのはとても楽しいです。私が子供のころ家にあった飾りを、今でも思い出すことができます。時にはツリーを森から自分たちで運んでくることもあります。

 

 

 

― クリスマスはどのように過ごしますか?クリスマスの時期ならではのお料理があれば教えて下さい。

 

アウエル 12月24日のクリスマスイブは、お昼にプーロという牛乳とお米の入ったおかゆを食べます。甘く煮たアプリコット、プルーン、リンゴが入っています。

 

 

 

そして24日の夜は家族が集まってディナーを食べます。フィンランドの伝統的なクリスマス料理のメインは、豚肉の塊をオーブンでじっくり焼いたハムです。
他には、ルタバガ(カブの一種)、ジャガイモ、ニンジンのキャセロールがあります。ニシンなどのお魚、ビーツと塩味のきゅうりのサラダもあります。

 

 

クリスマスツリーの下には、たくさんのプレゼントが置かれます。フィンランドでは、プレゼントをお互いに贈り合うんです。それぞれのプレゼントには小さなカードを添えられていて、相手の名前とメッセージが書かれています。誰か一人がそれを読み上げて、渡していくのです。
小さな子供がいる場合は、サンタさんが来ます。いなくても来るかもしれませんね。サンタさんはみんなへのプレゼントが入った大きな袋を持っています。

 

25日は家でのんびりします。ハムを食べたり、チョコレートを食べたりしながら。

 

26日は他の親戚と会います。子供達と一緒におじいちゃん、おばあちゃんの家に行ったりします。
田舎に夫の両親の家があって、今は誰も住んでいないのですが、そこに行くつもりです。雪が積もっていたらいいですね。森の中にあるので、そこでもクリスマスツリーを飾ろうと思っています。
カレンダーでは、12月25日から27日、1月1日、1月6日が祝日です。学校が休みですし、大人も休みを取る人も多いです。12月24日から1月6日までがホリデーシーズンですね。クリスマスツリーはそれまで飾ってあります。

 

クリスマス前の時期には、教会では聖歌隊などクリスマスコンサートが多くあります。フィンランドでは普段あまり教会に行かない人も、クリスマスの時には行く人もいます。
もちろんクリスマスはキリスト教のイベントですけれど、南のヨーロッパに比べてフィンランドではサンタとイルミネーションも大切ですね。外が暗いので光がとても大事なんです。
あとクリスマスは1年の終わりに家族だけでなくて、友人から友人、会社から会社にプレゼントを贈ったりします。今年一年の感謝を伝えるのです。

 

-フィンランドの北のラップランドにはサンタが住んでいますからね。日本でも年末には今年一年の感謝を伝えあいます。フィンランドのクリスマスと日本のお正月は似ていますね。

 

ヒュバーヨウルア!(フィンランド語でメリークリスマス!)