⽣活臭やペット臭を、効率よく吸収してくれる「凄い壁」。

最終更新日:2021年11月02日

住宅は一度建てたら簡単には壊せないもの。途中でリフォームもできますが、費用と手間がかかります。新築時に、快適性を”建築のチカラ”=8つの性能で叶えることが、いつまでも変わらない安心につながります。

今回はこの8つの性能を「断熱・気密・遮熱・蓄熱・空気質・換気・調湿・安全」に分けて、わかりやすくお話します。

石戸谷 裕二
室内気候研究所 主席研究員
工学博士

石戸谷いしどや 裕二ゆうじ

PROFILE ▼

2007年 北海道職業能力開発大学校教授に就任
2013年 室内気候研究所 主席研究員に就任
札幌ドームなど大空間の環境設計に多数参画

F☆☆☆☆(エフ・フォースター)認証制度の普及や厳格な運⽤によって、室内に放散される有害ガス(VOC)の放散量は減少し、化学物質過敏症などで悩む⽅々にも、ようやく住みやすい空間を享受できるようになってきました。

 

⼀⽅で、規制の対象となっていない家具や什器などからのホルムアルデヒド放散は、室内空気の汚染問題として今も課題となっています。

 

新型コロナウィルスの感染拡⼤やテレワークの普及によって「おうち時間」が増え、これまであまり問題視されてこなかった⽣活臭やペット臭の問題が、⾝の回りで顕在化するようになってきました。

 

今回は、珪藻⼟などの天然素材を利⽤したパッシブな消臭システムの特徴とメリットについて考えてみることにしましょう。

(写真)室内を清浄で新鮮な空気で満たしたい。そのために必要なものは?

 

 

空気中に放散された化学物質が、⽣活臭・ペット臭の原因になる。

室内の空気汚染は、⼈間の活動によって引き起こされます。

 

住宅は⽣活のための場ですから居住が前提条件であり、⽣活臭の発⽣を原因から排除する
ことはできません。

 

また、ペットと共に⽣きるというライフスタイルもすっかり定着しており、室内の空気から匂いの元になる化学物質を完全に排除することが難しくなってきました。

 

⼀般家庭で普及している空気清浄機は⾼性能化が進み、各室ごとに清浄機を設置されているご家庭も珍しくないほどです。しかし、⽣活のために設備を増やすということは、メンテナンスを含めた⼿間と費⽤が増えることにも直結しており、イタチごっこの感を拭い去ることはできません。

マイクロチャンバー法で、空気清浄機能を測定


(写真)⽣活によって排出された有害なガスを吸着してくれる建築材料の性能試験。

 

 

天然素材配合の建材が、空気中の化学物質を吸着してくれる。

そこで最近注⽬されているのが、空気中の汚染物質を吸着してくれる内装材。

 

規制物質であるホルムアルデヒドはもちろん、⽣活臭の原因ともなるアンモニア、クロルヒリボスなどを効果的に吸着して、清潔な空気環境を維持してくれる左官材料や塗料なども開発されて⼊⼿可能となっています。

 

消臭機能のある内装材はこまめなメンテナンスや電⼒が不要で、安⼼して利⽤できる消臭法として期待を集めているのです。

 

⼦供の健やかな成⻑や、健康年齢の延⻑に効果のある天然素材の建築材料。

体内摂取量が⽔や⾷料よりも圧倒的に多い「空気」の質を清潔に維持するということ。

 

良質な睡眠やストレスの解消のために室内の空気質を⾒直して、快適に⽣活できる室内環境を構築することこそ、「おうち時間」が⻑い現代にとって⼤切なポイントとなりそうです。

 

内装⽤に⽤いる建築材料の選択次第で、室内の空気質が⼤きく変化します。

 

新築時にはじっくりと考えておきたい、住まいのポイントです。

 

(写真)⼦供の成⻑には、清潔な空気環境が必要です。