良質な「睡眠」と「照明」の、意外な関係とは。

最終更新日:2021年11月02日

住宅は一度建てたら簡単には壊せないもの。途中でリフォームもできますが、費用と手間がかかります。新築時に、快適性を”建築のチカラ”=8つの性能で叶えることが、いつまでも変わらない安心につながります。

今回はこの8つの性能を「断熱・気密・遮熱・蓄熱・空気質・換気・調湿・安全」に分けて、わかりやすくお話します。

石戸谷 裕二
室内気候研究所 主席研究員
工学博士

石戸谷いしどや 裕二ゆうじ

PROFILE ▼

2007年 北海道職業能力開発大学校教授に就任
2013年 室内気候研究所 主席研究員に就任
札幌ドームなど大空間の環境設計に多数参画

健康で充実した⽣活を送るためには、「栄養」「睡眠」そして「運動」が不可⽋です。

 

中でも最近注⽬されているのが「睡眠の質」。

 

グッスリ眠って、スッキリと起床することができれば、充実した1 ⽇を送ることができる
のですが、情報化社会と⾔われる現代ではストレスも多く、なかなか⼗分な睡眠満⾜度を得
ることが難しくなってきています。

 

⼈間⼯学に基づいた最新の寝具などが提案されていますが、今回は「睡眠の質」と「光環境」、
とりわけ「照明」との関係について考えてみることにしましょう。

(写真)スッキリ起床するためには、朝の6時に1500Lxの光を浴びて深呼吸をすると良い。

 

 

傷ついた「免疫システム」は、「睡眠」中にしか修復できないという事実。

新型感染症の拡⼤によって、健康の⼤切さがクローズアップされています。

 

とりわけ感染症から⼈間の健康を守ってくれる「免疫システム」を常に活性化させておくこ
とは、感染症予防の要諦と⾔っても過⾔ではありません。

 

そこで注⽬されるのが「睡眠」と「免疫」修復過程の⼤切な関係。化学線とも⾔われる紫外
線の影響から細胞内での同化過程における複製ミスを防ぐため、⼈間の代謝と免疫システ
ムの修復は睡眠中にしか⽣起しないように進化を遂げてきました。

 

脳と⾁体の疲労を回復し、精神的なリラックスを得るばかりでなく、「睡眠」は免疫の強化
とも密接な関係があるのです。

 

 

 

活動には「⽩⾊光照明」。睡眠誘導には「暖⾊系照明」が効果的です。

「睡眠」サイクルには、メラトニンの分泌が⽀配的な影響を与えています。

 

 

メラトニン分泌を促しスムーズに⼊眠を誘導するなら、就寝1 時間前の午後9 時くらいか
ら照度を落とした「暖⾊系照明」に切り替えるのが効果的です。

 

寝室の照明はできるだけ間接照明を⽤い、⼊浴を済ませて⼼部体温を徐々に低下させると、
誘眠効果はさらに⾼まるでしょう。

 

(写真)寝室の照明は「暖⾊系」の間接照明が効果的。調光・調⾊を採⽤しましょう。

 

 

⾃宅でできる感染症対策として、良質な「睡眠」取得が効果的です。

新型コロナウィルス(SARS-Cov-2)の感染者が、世界で2億⼈を超えました。

 

⽇本でも第5 波の感染爆発で⾃宅療養を余儀なくされる⽅が、13 万⼈を超過するという危
機的な状況となったのも、記憶に新しいところです。

 

⾃宅で始められる感染症対策が、喫緊の課題となっています。

 

良質な「睡眠」を得ることで「免疫」を強化するためにも、就寝前に⽩⾊光、とりわけP C
や携帯電話の画⾯を⻑時間注視するのは避けたいものです。

 

調光、調⾊照明を効果的に使うことで「睡眠の質」を向上させ、コロナ禍にも負けない健康
⽣活を送っていきましょう。

(写真)感染者が2億⼈を超え、⾃宅療養者が13万⼈を数えた新型感染症。