Wallstatシミュレーション

地震の『不安』を『安心』に。
Wallstatで、我が家の耐震性能を目で確認。

北洲ハウジングは全棟Wallstatでシミュレーションを実施※1
外壁損傷20％以下を判定基準として安全を確認

Wallstatとは？

Wallstat（ウォールスタット）とは、専門家以外の方でも、木造住宅の地震時の挙動を可視化し、耐震性能を直感的に理解できることを目的として開発された耐震シミュレーションツールです。
お客様の住宅を実際の地震波で揺らし、計算数値だけではなかなか実感できない耐震性能を「目で見て」確認することができます。

wallstatは、京都大学生存圏研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所、東京大学大学院での開発者の研究成果を元に製作された木造住宅倒壊解析ソフトウェアです。
wallstatは木造軸組構法住宅を対象とする数値解析ソフトウェアですが、北洲ハウジングでは、J建築システム株式会社（本社：北海道札幌市、代表取締役：手塚純一）の協力のもと、開発者である中川准教授に助言をいただきながら、枠組壁工法にも使用できるようモデル化を進めてきました。

下の動画は、実際の振動台実験とWallstatのシミュレーションを比較したものです。
シミュレーションがかなりの精度であることが確認出来ます。

出典：一般社団法人耐震性能見える化協会

Wallstatが実現する「より確実な」耐震性

建築基準法では確認できない「繰り返しの地震」への備え

従来の検討（壁量計算・許容応力度計算）の限界

通常の許容応力度計算は、ある一瞬の最大外力（地震や風）が作用した際に問題がないかを確認するものですが、これだけでは建物形状による影響や「繰り返しの揺れ」など、把握しきれない部分がありました。

Wallstatでの検討

Wallstatでは、時間ごとの外力と変位を追えるため、繰り返しの地震による安全性を確認できるようになります。
また、部材ごとの変位を計算するため、吹き抜けや複雑な間取りによる揺れの違いも確認可能になります。
壁量計算とWallstatでのダブルチェックにより、より安全性の高い設計が可能になります。

3回の耐震シミュレーションを全棟で実施※1
「住み続けられる家」
であることを確認します

北洲ハウジングでは、お客様のプランで連続3回揺らす耐震シミュレーションを実施します。
3回揺らしても「倒壊しない」家ではなく、「住み続けられる」家であることを確認してから建築します。

※耐震シミュレーションのサンプルです。東日本大震災の地震波で2回揺らした後、極稀地震の1.5倍の地震波で揺らしたシミュレーションとなります。

京都大学中川貴文准教授のコメント

Wallstat は、木造住宅の地震時の挙動を可視化し、専門家以外の方でも耐震性能を直感的に理解できることを目的として開発された耐震シミュレーションツールです。
株式会社北洲では、耐震等級3の全棟に対して Wallstat を導入する取り組みを、業界に先駆けて開始されています。
2×4工法としては初の大規模な適用事例であり、その意義は大きいと考えます。
また、Wallstat を単に倒壊の有無の判定にとどめず、地震後の居住継続性に基づく独自の評価手法を導入し、損傷度を壁単位で定義して被害率を指標化する試みは、Wallstat の活用方法として非常に先進的です。
さらに、入力地震動の方向性を複数パターンで検討されている点も、地震動の不確実性を考慮した合理的なアプローチといえます。
このような取り組みが広がることで、我が国における木造住宅の耐震性能の向上や、巨大地震時の被害軽減に大きく貢献することを期待しています。

中川貴文（なかがわ・たかふみ）

略歴：
2003年東京大学大学院修了後、民間企業を経て、2005年より国土交通省国土技術政策総合研究所及び建築研究所にて木造の耐震の研究に従事。2010年に「wallstat」の無償公開を開始。2018年より現職。2019年文部科学大臣表彰。2024年日本建築学会教育賞。博士（工学・農学）。
研究活動：
将来起こりうる巨大地震の際の建築物の倒壊防止・被害軽減を目的として、木造住宅・木質構造建築物の耐震の研究、耐震化推進に資する教育・普及活動を行っています。
専門：
木質構造、数値解析

お客様の家づくりと Wallstat

北洲ハウジングでは、壁量計算に加えて、壁量計算では確認できない大地震や繰り返しの地震によるダメージにも耐えられることを確認するために、Wallstatにて東日本大震災を2回と建築基準法で定められる地震波（震度6強）の合計3回の大地震を入力して安全性をシミュレートします。
東日本大震災のシミュレーションでは、1回目と2回目で入力方向を90度入れ替えます。
これは、実際には地震波がどの方向から建物に流れてくるかわからないため、どの方向から来ても問題がないことを確認するためです。
シミュレーションの判定基準として、「倒壊しない」ではなく、外壁損傷20％以下の「住み続けられる」を採用しています。