設計開発者ブログ
耐震シミュレーションで実現する「見える安心」への新しい取り組み その2
耐震シミュレーションを開始するまでの経緯やこだわりを3回の記事にわたってご紹介しています。
2回目の今回は、以下内容の4~5をご説明いたします。
目次
- これまでの耐震性確認の課題と限界
- wallstatが実現する「見える安心」の仕組み
- 地震波の選定理由と、3回検証する理由とは
- 独自基準:倒壊防止の先にある「住み続けられる家」
- 耐震性・快適性・デザイン性の両立
- 最高精度のシミュレーションを実現するための舞台裏とこだわり
- まとめと今後の展開
4.独自基準 倒壊防止の先にある「住み続けられる家」
大地震が発生した際、建物が倒壊せずに家族の命を守ることは大前提です。
しかし北洲ハウジングは、その先にある「震災後の避難生活」や「長く残る資産としての価値」までを見据えています。
一生に一度の買い物である大切な住まいが壊れることなく、地震の後も我が家を拠点として生活し続けられるかどうかが、北洲ハウジングの重要な判断基準です。

内閣府の定める「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」では、損傷率が20~40%の状態を「半壊」と定義しています。
つまり、「半壊に至らない(=その後も住み続けられる)状態」とは、損傷率が20%未満である状態を指します。

厳密には屋根・外壁・基礎の合計で判定されますが、ソフトウェアの特性上、wallstatでは基礎や屋根の損傷状態をシミュレーションできないため、外壁のみを評価します。北洲ハウジングでは、倒壊するかどうかの判断基準ではなく、「外壁の損傷率が20%未満であること」を独自の厳しい合格条件として評価しています。


5.耐震性・快適性・デザイン性の両立
地震大国である日本において、住まいの最優先事項が「耐震性」であることは言うまでもありません。
しかし、耐震性を極限まで追求するあまり、壁をむやみに増やしたり、窓やドアなどの開口部を極端に小さくしてしまうと、日当たりや通風が悪くなり、開放感のない圧迫感のある住空間になってしまいます。
また、建物を軽量化するために外壁タイルをあきらめてサイディングにしたり、瓦屋根を板金にしたりと、美しい外観やデザイン性を排除してしまうのも、お客様の人生を豊かにする家づくりとは言えません。
北洲ハウジングが目指すのは、どれか一つの性能だけを最大化させるのではなく、「耐震性」「快適性」「デザイン性」の3つのバランスを最適化する設計です。
耐震性
建築基準法を満たし、過酷な耐震シミュレーションもクリアする確かな構造を実現します。

快適性
適切な壁の量を算出することで、窓等の開口面積を必要以上に小さくすることがなく、心地よくのびのびと暮らせる居住空間が叶います。


デザイン性
瓦屋根や外壁総タイル、ポーチ柱が支える深い軒下空間が設計でき、愛着を育む美しい外観になります。


北洲ハウジングの標準設計である「サステナブル耐震」は、過酷な東日本大震災の揺れが2回連続で発生しても(加えて3回目に極稀地震1.5倍の地震も考慮します。)住み続けられる強度を持ちながら、過度に壁を増やさないため、大開口の窓を設けることができます。
設計上の余計な制約をつくらないため、安心と理想の暮らしを高い次元で両立させることが可能です。
今回は以下内容の4~5までをご紹介いたしました。
次回は6~7の内容をご紹介します。
- これまでの耐震性確認の課題と限界
- Wallstatが実現する「見える安心」の仕組み
- なぜ「東日本大震災」の地震波を「3回」も入力するのか
- 北洲の独自基準:倒壊防止の先にある「住み続けられる家(外壁損傷率20%未満)」
- 耐震性・快適性・デザイン性の両立
- 最高精度のシミュレーションを実現するための舞台裏とこだわり
- まとめと今後の展開
wallstat開発者の中川准教授との特別対談
